2015年10月4日/2019年4月20日 訪問
突如として立ち現れる横浜南部の"求心"勢力
上大岡は横浜市港南区にある京急電鉄本線と横浜市営地下鉄のターミナル駅。
商業地としての歴史はそこまで新しいわけでもないが、駅前を縦断する鎌倉街道沿いは、ここ20年の再開発事業ラッシュで急速に高度化され、街道の左右に高層建築・再開発ビルが立ち並ぶ立体感のあるまちなみが広がる。
京急バスをはじめとして横浜市営バス・江ノ電バス等多彩な路線が乗り入れる上大岡。再開発ビル(京急百貨店)建設前のバスターミナルは京急バス専用(他事業者は鎌倉街道上で昇降)だったそうで、鉄道会社の影響を強く受けて成長したまちらしさを感じる"なわばり"エピソードである。
上大岡の基本構造は、南北を貫く鎌倉街道を軸としている。鎌倉街道の東側に京急上大岡駅と、駅と一体化している複合再開発ビル「ゆめおおおか(京急百貨店・バスターミナル等)」。鎌倉街道の西側にも再開発事業による商業ビルが点在し、カミオ、ミオカ(紛らわしい)などといった商業施設が連なる。
上大岡駅の正面(街道西側)には土地そのものは古くからの商業地であったことを伝えるアーケード商店街(パサージュ上大岡)もある。アーケードの奥の大久保地区には戦前花街があったのだとか。痕跡があるかは不明だが再訪が必要か。
「ゆめおおおか」の南側にある赤い風船(akafoo park)。基本はアミューズメント施設の複合ビルだが、さらに南側にあるイトーヨーカドーとの動線になっている1Fの「MICKE(ミッケ)」がなかなか面白い。
book&cafeにパン屋さん(最近は生食パンも売っているらしい)、こじゃれた食品売場……という 「ウケ」そうな感性をとにかく詰め込んだ楽しい空間になっている。
プリ機の前でワインの試飲させてるのは世界広しといえどここくらい。
MICKEを通り抜け、てくてく歩いていく。
路地を抜けると現れるイトーヨーカドー食品館上大岡店。2019年訪問時は開店直後だった。イトーヨーカドー上大岡店(1974-2017)の建て替え再出店の店舗。建て替え前はデニーズの日本1号店もあり、そのテには知られた店舗だった(が、2015年の私はなぜか訪問していない)。
歩いてきた路地を振り返る。ボウリングのピンが乗っかった赤い風船の看板や上大岡駅前のタワーマンションやオフィス棟が遠くに見える。距離にして400mくらいか?
最後に鎌倉街道に出て歩道橋から上大岡方面を眺めると、目の前の景色と不釣り合いなタワーマンションが背後に立つ「らしい」景色をご覧入ることができる。この「雨後の竹の子にょきにょき感」が上大岡の魅力でもある。
上大岡ではまだ未着工の地区を対象に再開発の計画があるのだとか。まだにょきにょきするらしい上大岡の今後に注目だ。