ひばりヶ丘は熱海市西郊、丹那の山々にへばりつく住宅地の最奥に位置する。
熱海駅からひばりヶ丘行きに乗ると、一度山を下り、市街地を経由したあとモリモリと山を登り始める。直線距離にして5km弱の距離、市街地からの高低差280m。そこを結ぶ1.5車線ほどの生活道路を中型車が往復する。
恐ろしいのはそんな生活道路区間の中腹に東海バスの営業所があり、最寄り停留所の「紅葉ヶ丘」まで熱海駅から毎時2~3本の便が確保されていることである。
ひばりヶ丘はそのさらに奥、かつ上に位置する折返し場であるが、それでも毎時2本程度の便がばらつきはあるものの確保されている。恐ろしい限り。
その最終区間はついに離合困難な1車線道路になり、もうこれ以上上がる必要がないだろう…というところに無理やりつくられた折返し場が現れる。
平たい(比較的)
折返し場より奥は和田山団地の敷地となり、その和田山団地が市街地の本当の外縁である。その奥は山。
今回の記事作成にあたって地図を眺めていたところ、折返し場の位置はしっかりとした住所が設定されていないようで「熱海市熱海+番地」という住所になっている。それはつまり、人が住んでいいところじゃないってことなのでは…
まだ上にあるんですが…
毎時2本熱海駅への便が確保されているのはすごい
下方から微かにエンジン音が聞こえ、少し経つとヌゥと現れる。
一度頭を突っ込んでバックで乗り場につける
平衡を忘れた
こんなところに住んでいる人がいるというだけでもすごいことだし、ここまで毎時2本バスが来るということもものすごいことである。
バスを使う使わないという議論を飛び越えて、バスがないと免許を持たぬ人は本当に移動ができない。そういう地域を支えるバス会社の矜持である。