SHORAKUSHA

終わりがないフィルムのように続く、ある風景の備忘録

柴又

2020年2月10日訪問 

300mの参道に、濃密なまちなみが待っている。

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はじまりは柴又駅

のんびりとした雰囲気の京成金町線京成高砂~金町)の中間に位置する駅。どっちから乗ってもがたごと少し走るだけで柴又に到着する。

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駅前は広場になっている。柴又といえば語らずには終われまい…「男はつらいよ」のフーテンの寅さんの銅像が建つ。

 

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旅立ちの寅さんと、それを見送る妹のさくら像。

寅さんの銅像が設置されたのは1999年。長い間一人で虚空を見つめていたが、その視線の先にさくらさんがいてほしい!というファンの熱き願いが2017年にさくら像の完成という形で実現し、現在のようなポジションに。

 

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「洒落のわかる方へ、金のうんこ」…余計なお世話だ

 

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今日では「柴又といえば寅さん(男はつらいよ)」というイメージばかりが先行しがちだが、そもそも柴又とは古刹柴又帝釈天(題経寺)の門前町であり、京成金町線もその参拝客の輸送を目的として敷設された経緯を持つ。

寅さんの実家も帝釈天参道にあるという設定になっている。そんな寅さんが駅前で見つめている方向が帝釈天参道、そして柴又帝釈天へと続く道になる。距離にして300m。しかし濃密な体験が待っているのが、この柴又の魅力だ。

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参道を分断するように道路が走っている。

 

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迫力のある「景色の味」と「そこら中で焼いてる団子のにおい」に圧倒されながら数分歩いていくと

 

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ぬるっと建物の陰から帝釈天の山門が現れる。

 

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題経寺(柴又帝釈天)は江戸初期の開創。市川にある中山法華経寺のお坊さんが開いたのだとか云々。

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参拝もそこそこに、お寺の北側にある道路を東へ歩く。

 

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お寺の石柵には男はつらいよシリーズ出演陣の名前が刻まれている。地域に根差している証か。

 

てくてく歩いていくと江戸川河川敷に出る。

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遠くを北総線が走っている。対岸の千葉側はすぐそばまで台地が迫っており、写真にも左側にその崖線が見てとれる。江戸川を渡った北総線はその崖線に突っ込むようにトンネルの中へと消えてゆく。

 

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そんな江戸川を渡す「矢切の渡し」。当然現代では地域輸送としての使命はなく、もっぱら帝釈天参詣とセットで「昔を懐かし楽しむもの」としてその使命を果たしている。

 

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訪問日は平日だったのになぜか矢切の渡しは運行していた。

チャンスではあったけれど、千葉側にいっても仕様がないし、カメラを水に落とすような気がしてならず乗らない。

 

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おとなしく帰りましょう。

 

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甘いものはいつだって人間の味方なのだ