SHORAKUSHA

終わりがないフィルムのように続く、ある風景の備忘録

イトーヨーカドー店舗大全本を作りたい

とつぜん普段と毛色の違う投稿を失礼します。

 

もう前置きは不要かと思いますが、ここ2~3年ほど「イトーヨーカドーの歴代店舗すべてを網羅した写真+解説の大全集」をどこかでまとめる必要があるのではないかと考えてきました。

しかしながら個人的都合によりそれは引き伸ばし…というか、なんとなく一押しが足りず、実現せずにいました。

 

しかし、昨今の状況です。

いつかはこういったことにはなるだろうと構えていましたが、思った以上に事態は早く訪れました。

 

もちろん、首都圏の店舗は引き続き営業されるかとは思います。

しかし、衣料住居部門からの撤退も明言している以上、総合スーパーとしての「イトーヨーカドー」は首都圏でもそう遠くないうちに消滅すると考えています。

 

だからこそ、いまこの体制を記録することが、最後のチャンスではないか。

そう思っているわけです。

 

………しかしながら、

当方が商業施設を本格的に回り始めたのは2015年ごろから。かつその後学生から就職を経たため、訪問が不可能だったor叶わなかった店舗が複数存在します。

文章に関しては文献調査である程度カバーできるのですが、困っているのは「写真資料」です…

 

ハッキリ言います。

 

この企画に写真提供していただける方を募集します。

 

以下、構想している概要を記します。変更の可能性はあることをご了承ください。

 

 

【プロダクトの概要】

・目的:イトーヨーカドー創業から最新店舗まで過去に存在したことのある店舗を含ん    
    だ全店舗の紹介、現状の記録。

・発行時期:2024年12月末(コミックマーケット105での販売を目指す)

・判型:A5横(仮)

とりあえず作ってみたひな型です(変わる可能性あり)

・ページ数:考えたくもないですが300pを超えるはずです(2分冊も視野…?)

 

【当方が求めていること】

・過去に存在し、現存しない店舗の訪問記録、写真等(以下に具体的に記します)

・HP、社史、雑誌や新聞等から得られる情報「以外」の資料

以上は原則「引用」という取扱いにいたしますので、写真プリント、資料等物理資料の場合は確実にお返しいたします。

・興味がある方には実際に本づくりに関わっていただくこともあるかも……?

 

【想定されるリターン】

・クレジット等への名前の記載(ハンドルネーム可)

・完成した書籍の無料謹呈

・ちょっとしたお礼

 

【具体的に求めている人材】(ここは若干のわがままです)

・成人されている方(18歳以上の方)

・日本語話者の方

・最低限の常識がある方(締切が守れる、やり取りが滞りなく行えるなど)

・滞りない作成のため、当方の判断により採用可否、掲載可否を決定する場合があります。その際に納得していただける方。

 

以上になります。

印刷代等は原則当方が持ち出しますので、参加していただく方の出費は原則ないつもりでいます。

 

採用可否については、応募していただける方の希望と、当方のリソースやクオリティ管理の兼ね合いの上で最大限希望が通るように尽力いたしますが、やむを得ず応募された方のご期待に沿えない形になる可能性もあることはご了承ください。

特に2018年ごろまでの現役店舗についてはほぼ写真資料は当方でそろっているため、改めて申し出を頂いても採用いたしかねる可能性が高いです(ブランド変更前の写真の場合はその限りではありません)。ご了承ください。

 

 

以下、当方が写真資料や文献資料を求めている店舗の一覧です。

・千住店(ザ・プライス化前)

・レディスコーナー(千住店に併設?)

・赤羽店(初代 ザ・プライス時代もあれば…)

北浦和

・小岩店(初代)

・蒲田店

・大山店

三鷹

・溝ノ口店(初代 ザ・プライス時代もあれば…)

・田無店(初代)

曳舟店(初代)

・戸越店

・三ノ輪店(初代)

・西新井店(初代)

・大井店

・越ヶ谷店

・郡山店(初代)

・蕨店(ザ・プライス時代もあれば…)

・野田店(初代)

・川口店(ザ・プライス化前)

・亀有店(初代)

・白河店

・大和店

・五香店(ザ・プライス化前)

・東久留米店(初代)

・取手店

・昭島店(初代)

・橋本店(初代)

・土浦店(初代)

・杉戸店(サンベルクス化後もあれば…)

・上大岡店(初代)

・宇都宮店(初代)

・相武台店

・富士吉田店

・帯広店(初代・閉鎖後は写真あり)

・藤岡店

・高萩店

・希望ヶ丘店

・いわき植田店

・君津店

・富士店

・市原店(初代)

・琴似店(初代・ザ・プライス化後もあれば…)

・せんげん台店(初代)

・府中店

・四街道店(初代)

東松山店(ザ・プライス化前)

・志津店

南砂町

鎌ヶ谷店(初代)

・北四十二条店

・上福岡西店

・稲毛店

・松本店(IY、エスパ時代)

・苫小牧店

豊橋

・江別店

・月寒店

刈谷

・八戸店(初代)

旭川

大麻

・函館店

・足利店

・秋田店

・中央林間店

各務原

・丸大柏崎店

・釧路店

・恵庭店

石巻

深谷店(アリオ化前)

・大宮店(初代)

・八幡宿店

・鶴ヶ峰店

エスパ昭島

・韮崎店

・岡谷店

・北上店

・堺店

・浜松店(初代)

・前橋店

鹿沼

ザ・プライス丸大長岡

・新川店

・結城店

・長沼店

塩尻

エスパ琴似

・新潟木戸店

エス我孫子

・小牧店

エスパ福住

・恋ヶ窪店

・鳴海店

・土浦店(二代目)

六地蔵

・臼井店

・岡山店

・福山店

・広畑店

エスパ川崎

・千歳店

・浜松宮竹店

・食品館小豆沢店

・食品館倉敷店

・食品館高井戸店

・食品館梅島店

 

自分でも信じられないくらい長いな…

 

【問い合わせ先】

mail:tanuppe★gmail.com(★を@に変えて送ってください)

Twitter(現:X):@uzumomen

郵送等ご希望の場合は一度メールでお問い合わせください。

Twitter使える方は極力そちらのリプライかDMでご連絡いただけると助かります。オタクなので…

 

大変勝手なお願いではございますが、わたしがここで書くには書ききれないほど思い入れがあるイトーヨーカドーを体系的に記録し、後世に残すための取り組みに、ぜひご協力いただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

渦森うずめ(坂本 和大)

 

 

 

【参考】わたしについて

大学生の頃より商業施設めぐりに目覚める。2014年のコミケでそごう国内店舗を紹介した本「そごうのその後」を発刊(別名義)。その後多忙でしばらく同人の世界からは離れていましたが2022年にイトーヨーカドーの建物を体系的に解剖した本「ハト来たる」を発刊しました。まぁだからなんだって話ですが、商業施設が好きでいままでいくつか本を作ってきましたということが伝わってくれればそれで…

 

uzuuzushop.booth.pm

完売中です。申し訳ない…

旅が終わる街、金沢八景と喫茶店のこと。

まちを歩いて写真を撮る趣味を本格的に始めてそろそろ10年になる。

「趣味」とは言っているがそこまで楽しいかと言われるとそうでもない。どちらかというと暇つぶしに近い。

ぼちぼち成果もでるので、なんだか立派な趣味のように錯覚するけれどもやはり自分にとっては暇つぶしの延長程度にしかすぎないように思えてしまう。そして錯覚するがゆえに暇つぶし程度のことを10年以上も続けてしまった。

このまま書き続けていると実は趣味らしい趣味がなかったのではないか?自分が分からない自分との闘い!みたいな誰も知りたがらない話が始まってしまうので、今日はあまり縁がないのに不思議と思い出が残るまち、横浜市金沢区金沢八景のことを少し話したい。

 

自分の写真の記録をさかのぼると、初めて金沢八景の景色を写真に収めたのは2012年のことだという。絶賛浪人中の時期である。そんな時期にそんなプラプラしてる場合か…と思ったが、一つ思い出したことがあった。おそらく横浜市立大学オープンキャンパスで訪れたのである。

雑然とした駅前を何気なく写した写真にとある喫茶店が写っている。

三本コーヒーショップ」である(見づらいが)。

 

当時、金沢八景の駅前では再開発の計画が進んでいた。そのことをわたしは当時から知っていた。だから当時は乗り物ばかり写真に収めていた自分でも駅前の写真を撮っておこうという気持ちになったのだが、その一方で開業から20年以上たっても仮設のままであった当時のシーサイドライン金沢八景駅のことを思って、本当にその計画が形になるとはとても思えなかったことを覚えている。

ただ、当時の金沢八景の駅前は当時の自分の目からしても、明らかに寂れていた。いや、どちらかというと「くたびれていた」というのが適切なような気がする。人はいて、ちゃんと消費活動も行われているのだが、なにかどの建物も薄汚れていて、時間が止まっているような感じがあった。再開発の計画が進まなくても、この景色はあまり長くは保たない気がした。そして、そんな時間が止まった建物の中でもひときわレトロな存在感を放っていたのが三本コーヒーショップなのであった。

 

こうした景色に対して、写真を撮るだけではなく、何か体験したという経験を残しておきたい。そう思ったとき、ふと「三本コーヒーショップ」に入ってみたらどうだろうかと思った。

 

しかし、わたしは入れなかった。勇気が足りなかったのだ。

当時はまだいまほど喫茶店やカフェに興味があるわけでもなく、ましては個人経営の店など入ったこともなかった。

 

改札に入り、そそくさと地元へ帰る直前、三本コーヒーショップを一瞥して、もう一瞬だけ迷った記憶がある。最後は、まぁそんなに急に再開発が進むか?という言い訳を想いながら、わたしは京急で横浜へと戻った。

この後、わたしは地味な浪人時代の末、高校時代の担任に「お前、一浪してここか…」と言われるような大学に入り、大学生になった。興味はいつの間にか乗り物から商業施設へと軸が移り、行ったことのない街に行き、見たことのないGMSをひたすら潰してゆく(経営的な意味ではない)日々を過ごしていた。

 

そして2016年。わたしは再び金沢八景駅に降り立った。

駅前は少し、様子が変わっていた。

建物はあまり変わらないが、工事用の柵が目立つ。建物こそ変わらない…しかしそのほとんどはもう営業していなかった。それは都市の変化が劇的に訪れようとしていることを示していた。

その刹那、ふと浪人時代に見かけた三本コーヒーショップのことを思い出した…いや、思い出さずとも改札を出ると正面にあるのである。

しかし、建物こそ残っていたが、三本コーヒーショップはその場所での営業を終えていた。閉店か?と少し焦ったが、シャッターに貼られた紙を眺め、近くに建てられた商店街の仮設店舗「せとこみち」の中に移転していることが分かった。

移転した先の三本コーヒーショップは、営業こそすれ、ある意味で当時の面影を完全に失った状態であった。

これにはかなり複雑な心境になったことを覚えている。再開発は仕方ないし、老朽化した建物は災害リスクが大きい。営業が続けられるだけ御の字ではあるが、空間がたたえた時間と蓄積は帰ってこない。そして仕方ないとはいえ、4年前の自分の逡巡と決断を思い出し、少し後悔した。あとは帰宅するだけといった夕方のタイミングであったので、祈るような気持ちで入店し、その後夕食を控えているのにケーキとコーヒーのセットを贖罪の気持ちでお願いした。そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、ケーキの食後にはそっと小さなチョコレートが差し出された。

 

そして、2023年である。

なぜか金沢八景は夕方に訪れることが多い。

幸浦あたりの団地をうろうろして、夕方にシーサイドラインに乗った。普通に新杉田に帰るのも癪だなと思って、反対方向の電車に乗って金沢八景に流れ着いた。

ほぼ7年ぶりの金沢八景は、完全に様変わりしていた。

再開発は完全に終了し、仮設駅であったはずのシーサイドライン京急の駅の真横まで伸びていた。シーサイドラインの直下には立派なバスターミナルが整備され、京急の駅も橋上化されてかなり立体的な都市へと変貌していた。

…そういえば三本コーヒーショップは。

どうなったのだろう。

 

エスカレーターを乗りついでようやく地上に降り立つ。仮設店舗は当然のことながら姿を消している。駅近くを軽く歩き回ってみたが、三本コーヒーショップはついに見つけられなかった。

変わりにと言ってはなんだが、シーサイドラインの駅横に立派なガラス張りの「ベーカリーハウス アオキ」が目に入った。1Fでパンを販売していて、2Fがカフェになっている。そこに落ち着くことにした。

席からは地上を出入りする路線バス、少し顔を上げれば頭上には駅を出入りするシーサイドラインの車両が目に入る。乗り物好きには意外と飽きない空間である。

アイスコーヒーと一緒に1Fで買ったパンをちびちびと食べながら、金沢八景というまちと自分とカフェとの縁に思いをはせていた。

カフェのあるまちはいくらでもある。カフェに入りたくなる瞬間にどこかの駅前にいることだって当然ある。でも、それにしたって、金沢八景でわたしは喫茶店やカフェがいつも目に留まり、入ったり入らなかったりする。疲れ果てた夕方にたどり着くことが多いからかもしれない。でも、それにしたって多い。

2Fの三本コーヒーショップの窓からは、おそらく駅の改札口から吐き出された多くの人々を眺めることができただろう。それが、いまはベーカリーの2Fから、行き交うバスやシーサイドラインを眺めている。10年で大きく様変わりしたようで、微妙に変わっていないような、不思議な感覚がよぎった。

この記事を書いていて、ふと思って2012年の写真をもう一度よく見返してみた。そして仮設店舗が写っている2016年の写真も。するとやはりあった。2012年の写真にはいまと同じ店のマーク、2016年にははっきりと見える「アオキベーカリー」の文字。

パン屋さんは建物の建て替えを経つつ、昔のまま営業を続けているようだった。様変わりしたようで、実はそこまで変わっていなかったのかもしれない。建物は建て替わっているようなので、当時からカフェがあったのかは分からないが、三本コーヒーショップが担っていた役割を、ほぼ同じ場所で商売を続けてきたアオキベーカリーがいま引き継いでいるということを考えると、なんだか少し面白くなってくる。

外見は大きく変わったけれど、まちで暮らし、営む人々の気持ちや思いは変わらないのかもしれない。少なくとも今のうちは。将来は分からないけれど。

 

そして、この記事を書くにあたって、三本コーヒーショップの行方を調べたら、金沢文庫へ移転していることが分かった。

場所が大きく変わったとはいえ、まだ営業は続けていることには安堵した。わたしにとってなんでもないと言えばそれまでだが、なぜかとても印象に残るお店だから、今度金沢文庫に降り立った時は少し覗いてみようと思う。

 

縁もゆかりもないのに、なぜか夕方にたどり着いて、なぜか喫茶店で休憩したくなる。金沢八景はわたしにとって謎の引力を持ち続けている。

 

 

 

旧店舗時代の内部がわかるはまれぽさんの貴重な記事。はまれぽさんはぜんぶある(断言)

hamarepo.com

アピタパワー君津店

中京圏のイメージが強い総合スーパー「アピタ」。しかしながら、イトーヨーカドー中京圏にポツポツとあるように、首都圏にもアピタの店舗がポツポツとある。君津もそのひとつ。

 

従前より君津駅周辺には複数の総合スーパーが立地していたが、1976年開業のイトーヨーカドーは2006年に閉店、1981年に忠実屋として開業したダイエーも2016年に閉店(跡地がイオンタウンとなったので実質的には建て替えか…)し、気づけば首都圏ではヨソモノのはずのアピタ(1987年開業)だけが残る形となった。

 

君津駅北口のイトーヨーカドー跡地は尾張屋という地場スーパーが平屋で出店した

開業年を考えれば順当な気もするが、日本製鉄の君津製鉄所で経済が回っている君津市の特殊事情を思うに、同じく製鉄所がある名古屋との転勤者も多くて、他都市に比べてアピタに対する違和感が薄いのかな…という邪推も考えたりする…けど、あんま関係ないか。

 

店舗規模や経年を考えると、昨今の情勢では店舗整理の対象か?と目されていたワケであるが、2021年9月に「アピタパワー君津店」として店舗の大幅リニューアルが実施された。「やる気」、まさしく「パワー」にみなぎっているワケ。

 

POWER。心強さ。

 

1981年開業で1万平米を切る床面積、売り場は2層で展開しているわけで、イマドキのショッピングセンター事情を考えるとどうしても物足りない感があるのかもしれませんが、ドンキホーテ流の圧強め陳列と乱雑に感じさせないギリギリのラインをうまく見極めてすごい印象に残る売場になってます。

 

アピタ転換のメガドンもそうですが、近年のPPIHは本当にこの辺のさじ加減が上手いです。アピタ屋号のまま残っている店舗も、わたしが知る限りでは少しずついい感じになってきている印象です。ドンキへのリブランドをそこまで急がなくてもよかったんじゃないのか?と思うほどで、食品を買うには不安があったディスカウントストアが、長崎屋やユニーといった歴史ある総合スーパーをいくつも呑み込んで、そのノウハウをしっかりと生かして、落とし込んできたという点に、ただの規模拡大とは違った風情を感じます。

回し者かってくらいに褒めそやしてしまいましたが、デイリー食品の横に自転車が売ってたのにはたまげた。まぁそういうところ、嫌いじゃないけど…

 

専門店も最低限は入っていて、書店が入っているのはポイント高。この規模で書店を残す判断をしたのは偉い。

 

駐車場周りのデザインが個人的にツボでした。あまりアピタは詳しくないんですが、これは割と1980年代のアピタ店舗ではよくある感じなんでしょうか。

 

タカナシのボトルミルクいちごを買いました。神奈川にズブズブの人間なのでいままであまり気付かなかったんですけど、タカナシ乳業もご当地乳製品なんだってネェ…

 

総合スーパーの現実的なアップデートの在り方を見たい方にオススメ。

 

 

2023年3月1日訪問