SHORAKUSHA

終わりがないフィルムのように続く、ある風景の備忘録

アピタパワー君津店

中京圏のイメージが強い総合スーパー「アピタ」。しかしながら、イトーヨーカドー中京圏にポツポツとあるように、首都圏にもアピタの店舗がポツポツとある。君津もそのひとつ。

 

従前より君津駅周辺には複数の総合スーパーが立地していたが、1976年開業のイトーヨーカドーは2006年に閉店、1981年に忠実屋として開業したダイエーも2016年に閉店(跡地がイオンタウンとなったので実質的には建て替えか…)し、気づけば首都圏ではヨソモノのはずのアピタ(1987年開業)だけが残る形となった。

 

君津駅北口のイトーヨーカドー跡地は尾張屋という地場スーパーが平屋で出店した

開業年を考えれば順当な気もするが、日本製鉄の君津製鉄所で経済が回っている君津市の特殊事情を思うに、同じく製鉄所がある名古屋との転勤者も多くて、他都市に比べてアピタに対する違和感が薄いのかな…という邪推も考えたりする…けど、あんま関係ないか。

 

店舗規模や経年を考えると、昨今の情勢では店舗整理の対象か?と目されていたワケであるが、2021年9月に「アピタパワー君津店」として店舗の大幅リニューアルが実施された。「やる気」、まさしく「パワー」にみなぎっているワケ。

 

POWER。心強さ。

 

1981年開業で1万平米を切る床面積、売り場は2層で展開しているわけで、イマドキのショッピングセンター事情を考えるとどうしても物足りない感があるのかもしれませんが、ドンキホーテ流の圧強め陳列と乱雑に感じさせないギリギリのラインをうまく見極めてすごい印象に残る売場になってます。

 

アピタ転換のメガドンもそうですが、近年のPPIHは本当にこの辺のさじ加減が上手いです。アピタ屋号のまま残っている店舗も、わたしが知る限りでは少しずついい感じになってきている印象です。ドンキへのリブランドをそこまで急がなくてもよかったんじゃないのか?と思うほどで、食品を買うには不安があったディスカウントストアが、長崎屋やユニーといった歴史ある総合スーパーをいくつも呑み込んで、そのノウハウをしっかりと生かして、落とし込んできたという点に、ただの規模拡大とは違った風情を感じます。

回し者かってくらいに褒めそやしてしまいましたが、デイリー食品の横に自転車が売ってたのにはたまげた。まぁそういうところ、嫌いじゃないけど…

 

専門店も最低限は入っていて、書店が入っているのはポイント高。この規模で書店を残す判断をしたのは偉い。

 

駐車場周りのデザインが個人的にツボでした。あまりアピタは詳しくないんですが、これは割と1980年代のアピタ店舗ではよくある感じなんでしょうか。

 

タカナシのボトルミルクいちごを買いました。神奈川にズブズブの人間なのでいままであまり気付かなかったんですけど、タカナシ乳業もご当地乳製品なんだってネェ…

 

総合スーパーの現実的なアップデートの在り方を見たい方にオススメ。

 

 

2023年3月1日訪問