2020年2月1日訪問
地方百貨店が社運を賭けた郊外型大型商業施設群に郊外モールの歴史を見る
宇都宮インターパークは、栃木県宇都宮市南部と上三川町との境にある商業集積地区である。
「インターパーク」の地名は、北関東自動車道の「宇都宮上三川インターチェンジ」周辺に広がることに由来する。
本来はインター周辺らしく流通・工業用途として都市公団が整備した土地であったが、紆余曲折あって商業機能を誘致することが決まり、宇都宮の地場百貨店である「福田屋」が2店舗めとなる大規模郊外店舗「FKDショッピングモール宇都宮インターパーク店」を2003年に開業させたのが、この地域を宇都宮を代表する郊外商業集積へと変貌させていく端緒となる。
周辺はFKDに追従する形でロードサイド店舗の集積も進む。
福田屋は2003年のFKDインターパークの開業後、IPSビレッジ、IPSスタジアムなどを隣接地に相次いで開業し一大ショッピングゾーンを形成している。
FKDインターパーク店の車寄せ回り。郊外モールなのに車寄せがある時点で何か違う。やっぱり百貨店だ。
大階段から。
FKDインターパーク店の北隣にあるIPSスタジアムは2005年の開業。
IPSビレッジはオープンエア型のアウトレットモールのような店舗構成をしている。
IPSビレッジの東隣に位置するIPSスタジアムは2009年の開業。ユニクロ・ZARAやH&Mなどファストファッション系の店舗が目白押し。
百貨店直営売り場に加え、価格上位系のテナントやくまざわ書店・ロフトなど基本的なテナント構成のFKDインターパーク店(2003年開業)。
無印良品・GAP・ABCマート等イオンモールの常連のようなテナントで固めてくるIPSビレッジ(2005年開業)。
そして2000年代後半のファストファッション隆盛の時代らしいテナント構成のIPSスタジアム(2009年開業)。
FKDが開業した3施設をめぐると、世の中の郊外モールを構成するテナントの年輪というか、その時代ごとの趨勢を見ることができる気がする。
地方百貨店が開いた郊外の新しい商業の形は、時代に合わせて拡張し、進化していく。
様々な時代の郊外モールの"在り方"を一か所でまるで見本市のように見せてくれるのは、日本でもここだけかもしれない。
もっと詳しく知りたい人はコチラもあるます!(3年前に書いた記事ですが)